指輪のサイズの基準
指輪を購入される際に最も悩む事の一つ、指輪の着用サイズ感。 筆者は東京都内にて対面で指輪を作る講習をおおよそ5000人ほど担当してきました。
サイズ選びで失敗しないために押さえておきたいポイントをいくつかご紹介します。
まず指輪のサイズとは何を基準に決まっているのか。 これはリングの内側の直径によりサイズを定めています。
日本ではJCS(Japan Custom Size)が定めたサイズ表記が一般的です。 内側の直径が13mmが1号。そこから1号ごとに1/3mmずつ増やしていきます。 つまり3号おきに内側の直径が1mmずつ広がっていくという事です。
またISO(International Organization for Standardization)という機関で定められた規格も使われることがあり、この場合は内径を元に定められております。 JSCの1号が直径13mmなので 13×3.14=40.82 ISOでは41号。 JSCの15号は直径17 2/3mmなので 17.66...×3.14=55.4... ISOでは55号となります。
ヨーロッパではISO規格で売られているとが多いそうです。 そのほかにアメリカはインチ法での計算、イギリスはAからZまでの表記があるので、海外ブランド品を購入される際には注意してください。
失敗しないサイズ選び
さて本題のフィッティングです。 人それぞれ関節の太さや肉の厚み・むくみやすさ等は千差万別であり、店舗での計測の際は時間や季節で前後してしまうこともあるでしょう。 筆者が思う適切なサイズ選びの基準は3つです。
①勝手に指輪が落ちたり痛くない事
②つけるのスムーズ、取るときちょっと面倒
③付け外しの感覚より付けている時の感覚を大事にする事
①一つ目は非常にシンプルですが最も大切です。 せっかく購入した指輪を失くしてしまうのはとても残念ですし、かといって失くす事を恐れ痛いほどのフィッティングをすると そもそも着用出来なくなってしまいます。
つまり適切なサイズは、反対の手を使わずとも落ちたり(大きすぎ)痛みを感じる程のキツさ(小さすぎ)の間にあります。 当たり前に思えるかもしれませんが、初めて指輪をされる方はこの基準がないと思いますのでまずはこの基準を大事にしてください。
②これは指の形によっては一概に言えないかもしれませんが一つの指標にしてください。 職業柄、仕事中に指輪の付け外しを何回かしなくてはならない方もいらっしゃいます。 その時のことを考え、取り外しのスムーズなサイズを選んでしまわれると、大きすぎて気づいた時には失くしてるなんてこともあります。
少し面倒でも10秒ほどで取れるものだと思いますので、取る時に少し面倒なくらいが丁度いいと考えてください。
③筆者はよく、ブーツの脱ぎ履きに例えます。 ヒモ穴の多いブーツを履く際は少し面倒に思えるかと思われますが、その面倒さがあってこそ履き心地が良いものです。 着用は楽でも履いている時にブカブカだったり、痛みを感じるのは不快なものです。
靴も指輪も付け外しの時間より着用している時間の方が圧倒的に長いので、着用している時に気にならず自然なフィット感を感じられるサイズが大切だと考えます。
以上3つが筆者が考える、指輪購入時のサイズ選びの基準です。
しかし、こちらは購入時に検討するサイズ感であり、人間生きていれば体重の増減や体格の変化もあるもの。 下着のように買い替えたりしない、一生物のジュエリーだからこそDay 0ではサイズの調整も承ります。
一般的なサイズ変更の方法は小さくする場合は一部を切り取って接合し直し。大きくする場合は地金を伸ばしたり足したりします。 デザインや地金の種類によっては作り直したほうが楽な場合もあります。
しかし、お客様の大切なリングをより長く愛着を持って使っていただく為にいつでも最適な方法で最適なサイズに変更することに意義があると考えます。
公式LINEアカウントでは、カラーゴールドを始めとした商品に関するご相談や、サイズや刻印などの細かなご要望などについてお気軽にお問い合わせ頂くことができます。
筆者プロフィール
丸藤 皓平 東京藝術大学工芸家鍛金専攻修士課程修了 工芸やアート作品を制作発表する傍ら、東京で彫金・鍛金技法を教える講師として活動。 5000本以上の指輪のプロデュースをした経験から2022年よりジュエリーブランド《Day 0》のディレクター兼制作者として立ち上げる。